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VOL01 ろまんちっく村ブルワリー

Vol01

栃木県宇都宮市
ろまんちっく村ブルワリー

ろまんちっく村ブルワリーの挑戦。
麦どころ栃木の魅力を詰め込んで。

Locone STORY

Intervier

01

栃木県が、ビール麦の有数の産地だと知っている人はどのくらいいるだろうか。なんと約100年もの間、ほぼ毎年ビール麦の生産量日本一を守り続けているそうだ。ワインならブドウの産地が、日本酒ならコメどころがピックアップされるなか、もどかしいぐらいに控えめだ。
そのビール麦をメインに、いつかオールとちぎのビールを造りたい!という野望を胸に、1996年9月、ろまんちっく村のビール工場、クラフトブルワリーは誕生した。
1994年の規制緩和を受けて始まった地ビールブームは急速に盛り上がったが、その収束も早かった。クラフトブルワリーも例にもれずその波に飲み込まれ、「10年前はどん底でしたね。」と話すのは、創業当初からブルワリーを切り盛りする工場長の山下創さん。

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02

多くの地ビール工場が廃業に追い込まれるなか、「お客様の反応を直に感じ、いただいた評価をビール造りに反映しよう」と始めたのが造り手自らの出展だ。デパートやイベントのお客様に直接その魅力を伝えるのはもとより、お客様からの意見をもとに改良を加えることで、その成果は徐々にで始めた。自分たちでビール麦やホップを栽培するなど仕事の幅も広げ、より魅力的な商品へと日々進化を遂げている。
自らビール麦の栽培をするブルワリーがまだまだ珍しいなか、ろまんちっく村ブルワリーでは、特注の機械を使い、麦から麦芽にする製麦まで行う。

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03

近年では、一般参加者を募り、ビール麦の種まきや麦踏み、製麦の見学、そしてホップの収穫もイベント化も。「栃木県がビール麦生産日本一という対外的に誇れることを、体験作業によって地元の人にも知ってほしい」との思いで開催を続ける。参加者と一緒に「どんなビールがあったらいいか?」を考え、実際に製品化し、イベントでお披露目するという取り組みも、ビールファンにはたまらなく魅力的だ。
認知を広める活動の一環として、栃木県内の地ビール会社と組んで栃木クラフトビール推進協議会を立ち上げた。 一社では無理でも各社がビールを守りよれば、「栃木県のビールの飲み比べがでるんだって!」と興味を引くことができる。

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04

さらに行政の協力も得ながら品質にもこだわる。 「幸いにも同じ市内にビール麦の品種改良をしている栃木県農業試験場があり、麦芽の成分分析に協力してもらっています」
毎年の経験をデータとして分析することで品質は確実に向上。昨年は流通している麦芽に劣らない品質までになった。
こうした成分分析は、検査機器にかかる費用や専門知識が必要になるため、専門スタッフがいないブルワリーには難しい。山下さんも「高品質の製品まで高めていくには、行政の協力が必要」と話す。

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05

栃木県のビールのよさを、それぞれの特色を出しつつ栃木県のPRも兼ねてアピールしていきたい、と語る山下さんの熱い栃木愛が伝わってくる。 「うちのビールはどのビールも、とちぎを詰め込んでるんです」
例えば餃子浪漫だったら、宇都宮餃子会と一緒に味を研究して、鬼怒川温泉麦酒だったら、鬼怒川の美味しい水を使って仕込みをして…
と自社のビールについて愛おしそうに話す山下さん。彼のビール愛・栃木愛は多くの人を巻き込み、「麦どころ栃木」の魅力が伝わる商品や活動に変えてじわじわと広がっている。