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VOL12 沖縄県麦生産組合

Vol12

沖縄県うるま市
沖縄県麦生産組合

沖縄での麦作りは自然との共存。
無農薬・有機栽培のおいしい県産小麦をつくる。

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Intervier

01

沖縄の小麦は、戦後より本島北部の離島・伊江島でつくられていた程度で、沖縄本島では麦作りが途絶えていました。それを復活させたのが、うるま市の農家・仲里さんです。農機具会社の社員だった仲里さんは、仕事で県内各地の農家をまわるうち、もっと人や環境にやさしい、これからの農業のあり方を考えるようになりました。50歳で会社を早期退職して農業を始める際には、農薬や化学肥料を使わず有機肥料を使うオーガニック栽培をすると心に決めていたと言います。
仲里さんが小麦栽培を始めたのは10年ほど前。それが地元新聞などで紹介されたこともあり「自分もやってみたい」という人が現れはじめ、少しずつ栽培農家が増えていきました。

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02

組合には生産農家だけでなく、沖縄そばやパン、お菓子を製造する業者も加わり麦の栽培を行なっています。
沖縄県麦生産組合が立ち上げた国産の小麦ブランド、「島麦かなさん」は今や大人気の商品に。 白い小麦粉が取れるのは製粉でも全体の3割程度。外皮の部分にはより栄養分が多く含まれているため、ブラン、全粒粉、白い小麦粉の3類類 を「島麦かなさん」というブランドとして、うるま市にあるうるマルシェで販売しています。ブランドを立ち上げる際には「小麦農家さんのモチベーションアップを図りたいと思っていたので、農家さん由来の名にしたいと思っていました」

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03

と、沖縄そば店の一角で、製粉を担当する金城太生郎さん。製粉した小麦粉は金城さんの店で自家製麺として味わえるほか、組合員のベーカリーや菓子店、ピザ店などで使われています。金城さん自身が利用者のため、小麦の品質や使いやすさなど使う側の意見を組合に反映させていくのも役割のひとつ。金城はさんは子育て世代。「たとえ市場より値段が高くても、子どもたちには本当においしいものをたべてもらいたい。ふだんの料理に、はじめは10%でいいから島麦かなさんの小麦を使ってみてほしい。」

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04

麦の栽培は年一回。小麦作りは畑の準備から始まります。「植え付ける前にしっかりと畑の手入れをしていれば草がはえにくい」と仲里さん。除草剤は使いませんが、草取りに苦労することもないそうです。小麦栽培につきものの鳥害についても「有機栽培は自然と共栄共存。100%収穫するのは無理がある」と寛容です。普段は機械を使って効率を高めてますが、親子連れを中心とする沖縄の人たちに、県産小麦を知ってもらいたいと、麦踏み体験イベントを開催したこともあります。まずは沖縄の人に、やがて全国に知ってもらいたいというのが組合のみなさんの願いです。

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05

製品した小麦は金城さんの店で自家製麺として味わえるほか、組合員のベーカリーや菓子店、ピザ店などで使われています。金城さん自身が利用者のため、小麦の品質使いやすさなど、使う側の意見を組合に反映させていくのも役割のひとつ。

「島麦かなさん」で作られたパンは本当に美味しそうな天然の沖縄の大地を反映した小麦粉から料理へと。沖縄の美しい自然や広大な大地を反映したような有機小麦は新しい沖縄の可能性と天然で新しい産業になる可能性を秘めているのではないでしょうか。